県内の原告も和解(薬害肝炎訴訟)

2008年04月02日

4月1日付 毎日新聞しが面より


「元の状態に戻して」

薬害C型肝炎訴訟 和解後も心晴れず

大阪地裁で31日に和解した薬害C型肝炎訴訟の原告38人のうち、県内唯一の女性(50)が毎日新聞の取材に応じた。県内で2万4000人と推定されるC型肝炎患者のうち、製剤投与の立証の壁のため、原告になれたのは一人だけ。女性は国と和解した後も「お金なんかいらない、元の状態に戻して」と晴れない胸の内を明かした。
この女性は86年、出産時の出血で止血剤「フィブリノゲン」を投与され感染。十数年前から肝機能が低下し、体力が落ちた。2年前に感染発覚後、生命保険会社に残っていた診断書で投与の証明ができ、06年8月に原告になったが、迷いもあった。「隣町の患者が治療を始めた時、中傷がひどかった。『出ていけ』という紙や生卵が投げ込まれたり……。滋賀の保守的な地域性か、いまだに空気感染するという誤解がある」。偏見への不安に家族の介護も重なり、匿名で原告になった後も「何度も辞めようと思った」と打ち明ける。
今後も、製薬会社との和解協議は続く。女性のウイルスは最も完治しにくいタイプなうえ、アレルギー体質で副作用の不安も大きく、治療開始のめどは立っていない。女性は「常に病気が意識の中につきまとう。いつまで続くんでしょうか」と、つぶやいた。


タグ :肝炎


Posted by つむぐ at 17:23│Comments(1)
この記事へのコメント
 福祉施設での解雇問題もひどいですが、この記事にある「隣町の患者が治療を始めた時、中傷がひどかった。『出ていけ』という紙や生卵が投げ込まれたり……。滋賀の保守的な地域性か、いまだに空気感染するという誤解がある」も心が痛みます。

 薬害肝炎訴訟後の原告と国との定期協議の場に、このような偏見差別・人権をないがしろにするような事例を積み上げて、国の抜本的な肝炎対策の実現に向けてがんばらねばなりませんね。
Posted by sin at 2008年04月03日 06:26
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