市民・保護者の会通信。No31より
今年もあとわずかになりました。皆さんはどのような一年を過ごされたでしょうか。
残念ながら、教育を取り巻く環境は、決してよくなっていません。
それどころか、逆に、世界的な恐慌状況が訪れている中で、このようなときのために制度化された派遣労働者などの首切りが吹き荒れ、格差社会はさらに亀裂を大きくし、正規で働く人たちも、低賃金と不安定雇用への脅かしにより、長時間労働など労働強化が進み、子どもを支える家庭や社会はどんどん崩れていると言えるでしょう。
それを、家族愛・郷土愛といった国家主義につながる精神論の強制あるいはマインドコントロールで見えにくくする政治や教育が進められているのではないでしょうか。
しかし、この事態を指をくわえて見ているわけにはいきません。
まず、この状況をみんなで見抜き、みんなで支えあって、こんな動きに乗せられない、そしてこれに抗していく運動をしっかりと進めていく中で、ホントのあるべき教育や社会を一歩ずつ作っていきたいものです。
さて、いよいよ来年は、中学校教科書の採択が行われる年です。学習指導要領が改訂されたため、11年の採択まで2年ということで、現在使用中のほとんどの教科書が引き続き使われると考えられますが、歴史教科書に関しては、「新しい歴史教科書をつくる会」・自由社が文科省に検定申請していますので、検定合格するような事態になれば各教育委員会による採択の危険性が出てきます。
この教科書の内容は明らかにされていませんが、「つくる会」は自ら、現行の「つくる会」教科書-扶桑社と基本的には変わらないと言っています。
つまり、戦争賛美の教科書、人権をないがしろにしているという内容は変わらないでしょう。
こんな教科書がさらに広がらないように、皆さんとともに、各教育委員会へ要請し、現在河瀬中学校で使用されている「つくる会」教科書の使用を中止するよう滋賀県教育委員会に要請していきたいと思います。
「オレの心は負けていない」上映会に、ご参加を!
旧日本軍性奴隷制度である「慰安婦」の問題は、昨年から今年に書けて、米下院、オランダ議会、EU議会、カナダ議会、国連自由権規約委員会、韓国国会、そして台湾立法院から、日本政府に対し公式の謝罪と国家賠償を求める決議が採択されています。
このように世界は、この問題を過去の問題とせず、その上でさらに、学校で教科書に掲載して子どもたちに教えるよう求めています。
また、国内でも宝塚市、清瀬市、札幌市の各市議会で、「政府の誠実な対応を求める意見書」などが採択されています。
そうした中で、「南京大虐殺」や「強制連行」とともに、中学校歴史教科書から消されてしまった「慰安婦」問題を、私たち自身で改めて確認していきましょう。
日本で生活し、戦後補償を求めて裁判を闘われた宋神道(ソン・シンド)さんの生き様を通して、学びたいと思います。
ぜひ、上映会にご参加ください。
日時。。。。。2009年1月10日(土)午後2時から
会場。。。。。草津市人権センター
上映協力券。。500円
「つくる会」教科書を中学生の手に渡したくない市民・保護者の会