本当にこわいのは
生活に追われて忙しく過ごしていく毎日。
そんな中、日本の進路を大きく変えるようなことが起きています。
4月23日、「海賊対処法」が衆院を通過しました。
ソマリア沖の「海賊」を取り締まるためというこの法律。
実は「護衛」対象を外国籍を含む全船に拡げるとともに、武器の使用基準を大幅に緩和しており、自衛隊の海外での武力行使に全面的に道を開く、おそろしい内容になっています。
4月5日には、朝鮮民主主義共和国が発射した人工衛星に対して、戦後初めて、国内で実戦態勢がとられました。
政府は「破壊措置命令」を発令。自衛隊が、イージス艦3隻を日本海、太平洋に展開、迎撃ミサイルPAC3を各地に配備。全国の自治体で非常事態体制が敷かれ、職員が動員されました。
戦争はイヤ。でも海賊や北朝鮮の脅威には対決しなければ行けないし・・・。そんな声が聞こえてきそうです。
でも、ちょっと足元を見てみましょう。
他の国では人工衛星といっているのに、あくまで「ミサイル」でと言い張って「北朝鮮の脅威」を煽る日本ですが、下の「数字」をじっくり見てください。
日本こそ世界を脅かす軍事大国なのです。
今回、「ミサイル迎撃」騒ぎのあと、地に落ちていた麻生政権の支持率が、わずかに上がったのは、偶然でしょうか。
「外的」への恐怖や憎しみをあおり立て、国政への不満をそらしながら、人々を戦争に動員していくのはいつの時代も、為政者の常套手段でした。
「海賊対処法」の成立に反対して国会前で行動が行なわれています。行ける人は駆けつけましょう。
日本の軍事力。
名目だけでも4兆8千億円の軍事費は、世界5位。
今の自衛隊の装備は、◆世界的な主力戦闘機F15を202機(1機120億円)、潜水艦攻撃のためのP3C対潜哨戒機を約100機。いずれもアメリカに次ぐ大量保有。作戦機全部で400機。◆戦車約900両(90式戦車で1両約9億円)。◆「世界最強の駆逐艦」と呼ばれるイージス艦を6隻(1隻1400億円。保有は他にアメリカ、スペインのみ)。◆潜水艦16隻、護衛艦28隻、艦艇全部で150隻。◆原発55基から出るプルトニウムで核兵器5500発を製造可能。◆すでに21ヵ所に海外派遣。◆総じて、日本の軍事力は北朝鮮の10~30倍。◆ちなみにロケット(衛星)打ち上げ回数は119回で世界3位。◆日本こそ脅威だ。
(「風通信」第5号より====「風をおこす女の会」発行)