自分史3=改めてC型肝炎闘病記その4

2009年01月21日


自分史3=改めてC型肝炎闘病記その4


5 C型肝炎ってなに?


 C型肝炎とは、C型肝炎ウィルス(HCV)の感染によって起こるウィルス性肝炎のこと。
 肝炎は肝臓の細胞が壊れて肝臓の働きが悪くなる病気。肝炎のほとんどはウィルスの感染によって起こるウィルス性肝炎(A型、B型、C型、D型、E型)。
 かつては、肝炎には伝染性肝炎(流行性)と血液を介して感染する血清肝炎の二種類があると考えられていて、前者がA型肝炎、後者がB型肝炎と呼ばれていた。

 しかし、1970年にB型肝炎ウィルスが発見されたことからA型肝炎でも、B型肝炎でもない肝炎ウィルスが存在することが分かった。
そのため、1988年にC型肝炎ウィルスが発見されるまで、C型肝炎は「非A非B型肝炎」と呼ばれていた。
ちなみに、D型肝炎はアマゾン川流域、E型肝炎は東南アジアなどに多く発症している。
日本で多いのはA型、B型、C型で、特に重要なのがC型肝炎だと言われている。


 C型肝炎はA型肝炎やB型肝炎と比べて自覚症状がないのが特徴。
C型肝炎ウィルスに感染すると、初期の段階では倦怠感などを伴うものの、黄疸など肝炎特有の症状が現れることが少ない。 そのため多くの感染者がウィルスに感染したことに気づかずに、治療を受けないまま生活している状況にあり、症状を悪化させている。


 C型肝炎ウィルスは、おもに感染者の血液を介して感染する。
 具体的には、
・感染者から輸血を受けた場合、
・血液凝固因子製剤の投与を受けた場合、
・同一の注射針・筒を用いた注射を受けた場合、
・人工透析を受けた場合などには感染するおそれがある。

 輸血については、C型肝炎ウィルスが発見された1988年以前には輸血を受けた人の8・7%がC型肝炎を発症している。

 出産時の出血を止めるために血液凝固因子製剤(フィブリノゲン、クリスマシンなど)の投与を受けた場合には、これらの製剤がC型肝炎ウィルスに汚染されていたために、感染している可能性がかなり高い。
事実、厚生労働省発表でも、フィブリノゲン製剤を投与された人数は全国で40万人と言われ、その多くが投与直後からC型肝炎に感染していると思われる。

 また、血液を介した感染以外には、感染者の母親から生まれた子供が感染する母子感染は2%から10%程度と言われているが、感染者と性行為を持った場合の感染率は極めて低い。だが、ゼロではない。出血を伴うような激しい性行為には注意が必要だとも言われている。


 C型慢性肝炎の状態が10年から30年間経過すると30~40%の確率で肝硬変になる。
そして、肝硬変になってから15年ほどが経過すると80%の患者が肝ガンに進行する。
肝ガンの原因の70%はC型肝炎ウィルスというデータもある。(個人差があるので注意)


 現在、我が国の肝炎ウィルス感染者は350万人だと推定されている。
350万人のうち200万人がC型肝炎感染者(アメリカでは400万人、世界で2億人!)。


 毎年4万5000人近い人が肝ガンを発症させているが、その80%がC型肝炎ウィルス、15%がB型肝炎ウィルス、残り5%がアルコール性。C型肝炎が原因で死亡する人は年間3万人を超えている。
 つまり、65人に1人がC型肝炎に感染し、37人に1人がB型かC型の肝炎ウィルスに感染していることになる。
そして、一日平均100人もの人が、これが原因で尊い命を落としている。


 1954年3月1日(私が生まれて一月後だ!)、アメリがおこなったビキニ環礁での水爆実験で被曝したマグロ漁船「第五福竜丸」の23人の乗組員全員がその後の治療(輸血)が原因でC型肝炎ウィルスに感染した。


 また、ハンセン病の療養所に入所している人たちの20%が不衛生な医療環境のもとでの医療・治療行為によってC型肝炎に感染している。


 注射器を使っているときに誤って針が刺さり、感染した医療従事者、廃棄された医療ゴミの処分中に注射針が刺さり感染した清掃従事者の例も後を絶たない。

(つづく)

タグ :肝炎自分史


Posted by つむぐ at 01:21│Comments(0)
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