自分史3=改めてC型肝炎闘病記その6

2009年01月23日

自分史3=改めてC型肝炎闘病記その6



7 医原病


 「医原病」という言葉がある。


 不適切で不衛生な医療行為によって引き起こされる病気のことである。
 キノホルムを整腸剤として服用したために起きた薬害スモン。
 妊娠初期に鎮静睡眠薬サリドマイドを服用することによってアザラシ肢症「奇形」児の出産が多発したサリドマイド事件。
 筋肉の発達していない小児への筋肉注射によって引き起こされた大腿四頭筋拘縮症。
 誤って注射針が神経を傷つけることによって起きる反射性交感神経ジストロフィー。
 汚染された血液製剤によってHIVに感染させられた薬害エイズ。


 そして、C型肝炎ウィルス(HCV)。


 すべて医原病である。

 現在、C型肝炎を治療する方法は、ウィルスの増殖を抑える抗ウィルス剤=インターフェロンを投与するのが主流だ。
 インターフェロンとはウィルスに感染した際に、生体を守るために体内で作られるタンパク質の一種。本来、すべての脊椎動物は必要に応じてインターフェロンを作り出しているが、ウィルス肝炎患者は体内で作る量だけでは肝炎を治すことができないため、人工的に作ったインターフェロンを薬として投与し、肝炎ウィルスに対抗できるだけの量を補う。

 このインターフェロン療法は、しかし、すべてのC型肝炎ウィルス感染者に効果があるわけではなく、50%にしか効果がない。
また、前述したように全身倦怠感、頭痛、関節痛、おう吐、体重の低下、40℃近い発熱などのインフルエンザのような症状、脱毛やうつ病などの副作用があるので感染者にとっては精神的にも肉体的にも大きな負担となっている。
 また、比較的軽度の私でさえ、一年間にC型肝炎の治療に費やした医療費は130万円を優に超えていることを考えれば、自費での治療となると数百万円の費用がかかり、経済的な負担は計り知れない。

しかも、症状によって数ヶ月の入院が必要なこともあり、会社を辞めなければならなかったり、子どもの養育に携われなくなったり、仕事や家庭生活にも大きな影響が出る。
 

さらに、感染者に対して未だに偏見・差別が根強くあり、告白した途端、親しく付き合っていた人に避けられたり、酒の席に招かれなくなったり、入院時に食器を全部別にされたり、歯科医院での診察を断られたり、企業から内定を取り消されたりするケースも後を絶たない。(具体例は後述)
 なかでも、肝炎患者が作るホームページに「死んで」「殺させろ」「逝ってよし」「ぶち殺すよ」「だまれ」「きもいよ」などの書き込みがあった。発信者が特定できたが、なんと、肝炎患者を罵倒する書き込みは大阪府内の小学校のパソコンから発信されていたのである。

 しかも発信者は小学生だった。


 これは何を意味するのか。


タグ :肝炎自分史


Posted by つむぐ at 01:23│Comments(0)
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