いす
2008年12月15日

あの朝、前夜の少し好転したケンとの病院での対面で、夕方には家に連れて帰れるなとの希望が木っ端みじんに砕かれた。
何度も書いたが、これほど泣かされるとは思わなかった。こんな比較はすべきではないが、22歳の時にオヤジと、32歳の時におふくろと別れたときは、こんなにも涙は出なかった。
前夜、私たちに会ったとき、『家に帰りたい!』って、訴えていたかもしれない。
あれから一週間が過ぎた。
二人ともぽっかりと大きな穴が空いたように気が抜けている。
二日続けての酒飲みの場で空元気を出していたが、ケンが本当にお気に入りだったこの黒いいすを眺めていたら、とめどなく涙が出てきた。
彼女が言った。
『一緒に暮らしていたときよりケンのことを考えている』と。
猫と暮らしていない人から見ると「たかが猫ぐらいでアホか」と言われるかもしれないが、毎朝、毎晩、祭壇に水とごはんを入れ替え、朝一番、出勤前、帰宅時、就寝前、また用事で家を空けるとき、買い物から帰ってきたとき。ます、ケンの遺影に挨拶している。
あまりにも大きな存在だった。
Posted by つむぐ at 01:37│Comments(0)
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