自分史1=新聞配達その4
2009年01月14日
23年間の新聞配達
【その4】
だからといって、いつまでも自分を、自分の仕事を卑下していては奴隷のまま。
当時の私たちはリーダーにも恵まれていたこともあるが、「俺たちも人間なんや!」を合言葉に、「小さな販売店同士でケンカしていても、何も変わらない」
「配る新聞は違うけれど、みんな同じ仕事をしているんだ」「朝日とか毎日、読売といった系統を超えて団結しよう!」と新聞販売店労働者の労働組合を作った。
新聞配達は確かにサービス業かもしれない。
でも、60数年前の大戦では、配達している新聞が戦意高揚の赤紙の役割を果たしたことを想起し、自分たちが配達している新聞がどのような社説を書いているのか、権力におもねったり、媚を売っていないかなどを読者に一番近い存在の労働者としてチェックし、おかしいことにはおかしいと声を上げていった。
また、自分たちの労働の質を自ら落としこめるような、景品を付けて無代紙を配達することを断固として拒否し、そのルール化を図り、地域ごとに推し進め、違反する新聞社や販売店には公正取引委員会に提訴したり、協力的な議員が国会や地方議会で追及したりするなど対外的な活動も展開していた。
体力的な問題などいろいろ重なったために、現在は違う業種で働いているが、新聞販売・配達の現場で培った経験はずっと身体に染みついている。
自宅にも定期的に新聞勧誘員がやってきます。その勧誘員には必ず次のように説明している。
「サービスは一見読者の利益になっているように見えるし、目先のことを考えると家計は幾分か助かる。しかし、新聞の良し悪しは、サービスの種類で決まるのではなく、その新聞が何を書いているのか出し、雨の日も風の日も、暑い日も寒い日もキチンと届けてくれることが最大のサービスになっているので、それだけでいいです」と。
たかが新聞、されど新聞。
Posted by つむぐ at 01:14│Comments(2)
この記事へのコメント
その労働組合の現在は?
Posted by 朝刊太郎 at 2009年01月14日 20:23
解散ー再結成ー解散の波があったようですが、今年4月に全国新聞販売合同労組として再結成の予定です。
Posted by つむぐ at 2009年01月16日 13:25
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